この度、6月1日から7日まで日本保険薬局協会主催のイギリス、フランス医療視察旅行へ社員と一緒に行ってきましたのでご報告します。
まず、物価が異常に両国とも高いことです。消費税も食料品を除いて17,5%で、たばこに至っては1箱イギリスで1,200円、フランスで800円、またイギリスの地下鉄一区間400円、マイホームが郊外でも7,000万と下らない。3月に韓国に行った時も今バブルで6千万〜1億円のマンション1戸建てがあたり前で、4年前行ったイタリアと同じくらいのプライスで、買い替えでなければ、マイホームが持てない国情には脅かされました。それを思うと日本は今では住みやすい国になっているように思います。

前段が長くなりましたが、イギリスの医療制度の一部は将来の日本でも移行されるものと思います。基本的には医者の診察料、処方箋調剤も高額な17.5%の消費税により無料です。患者は地域の開業医が掛かりつけとなっており、総合病院へは、紹介状がなければ見てもれえないシステムとなっています。開業医はもちろん日本と違って、レントゲンやエコーなど高額な医療機器を準備した開業スタイルではなく、オフィスだけの診療所となります。
いま開業医も個人でなく複数(50名)のドクターを1か所に集めての開業を国策で指導してきているようです。
調剤薬局については、一週間100時間の開局時間(土曜、日曜、深夜が当たり前、ただし年間国から1薬局当たり年1回1,300万の補助金が支給される)が義務づけられており、薬剤師人口の25%は、これら週40時間を超える正社員の補足として、派遣薬剤師が占めているのがこの国の特徴的な部分でもあります。規模的にも国内約1万軒中、3,000軒は個人経営、3,00軒はスモールチェーン、6,500軒が大型チェーン(内ブーツ※1が2,200軒、ロイズ※2が1,600軒)以上のように、やがて日本も大型調剤薬局チェーンに集約されてくるかもしれません。
1849年にノッティンガムのシティセンターに、ジョン・ブーツにより創設された植物療法薬局が前身の大型ドラッグチェーン店
英国で1600店舗を超える大手薬局チェーン
薬剤師の教育は5年制で、4年間学校就学で1年間は現場実習後国家試験を受けて合格となるようです。またこの国はテクニシャンが、国家資格となっており将来日本もこれらに追従いするかもしれません。
使用薬の80%が(金額か使用品目数か?)ジェネリック品で、処方箋発行元の医師に年間のジェネリック使用率によって一定額のお金がインセンテブとして支給され、これらが後発品の使用を高めているようです。
処方箋発行についても、医師がパソコンで先発品を入力しても印字してくる処方箋は一般名製品のようです。

ロンドンの繁華街のブーツ社の大型薬局に行きましたが、そこにはガラス張りの調剤室はなく、オープンカウンターで分包機はもちろん一切調剤機器は無でした。
つまり調剤は製品別に包装単位の処方(100錠とか)数になっており、パッケージを出すだけの作業となります。また日本のように、POSに基くきめ細かな薬歴管理もされていません。薬局の経営は、一枚6ポンド(約1,560円)と薬価差益(単品差益でなく後発品の使用割合などのグロスで差益を計算?)が主な収入となっているようです。
薬剤師給与は、個人の能力で経験はあまり関係ないようです。ちなみに新人薬剤師で年収360万〜440万円、専門分野を持って、医師への治療薬の提案できる薬剤師は、500万〜680万円、病院薬剤師で関連病院の病棟管理、かなりスキルの高い調剤薬局の管理者で640万〜840万円、薬剤部長、マネージャー等は800万〜1,040万円とのことで、日本とやや同じレベルである。
イギリスでは、今後の薬局の業務として、個室を作ってお薬相談や禁煙指導、禁煙指導プログラム指導など肺中の二酸化炭素濃度を測る機械なども設置しており、早坂部長も検査したがやや問題あり(笑)、またクラミジアの検査、コレステロール値の検査、肥満の管理、喘息患者の補助コントロ−ルなど、臨床業務を担う薬剤師が求められてきており、医師がいままでやってきた簡単な業務を薬局で担うようになってきている。
これらは今後日本でも同じような方向で進むものと思う。
ただいつも思うことだが、アメリカ、ヨーロッパ、北欧いずれの国も、在宅について薬剤師の顔が出てこないことが気になるところだ。その意味では、日本は諸外国の国策の違いも有る中で、薬剤師の在宅に傾注していることに注目しなければならない。

研修に参加しての今後の考察として、薬局企業は、益々弱肉強食の時代が進み大手と中堅、個人薬局の色合いがはっきりするものと思います。そして、医療費削減の方向は調剤薬局の経営に対して後発品が台頭し、この問題は避けて通れない事項となるでしょう。
従って仙台調剤としてもいまからこの後発品に対して基礎的事項をしっかり固めることが必要に感じました。
薬剤師業務についてはこれまでは,処方箋を基に調剤し、国からお金を貰っていただけの作業から、前記した臨床業務ができる『コミュニティ−薬剤師』としての急激な変化を求められることになるでしょう。そしてこれらの業務がやがて処方箋調剤と合わせて薬局の大きな収入源に代わることになることが考えられます。
このことはまさしく、薬剤師の職能拡大として、とてもやり甲斐のある時代を迎ようとしております。その意味でも、当社は5年先を行く(歩く)薬局として、経営理念にも有るように、行政を先取りする業務の展開に強め、教育環境もさらに研ぎ澄ました先進教育に邁進しなければならないことを痛切に感じた研修旅行でもありました。


